弊社への問合せで近年急増しているのが、「サマコバ磁石(サマリウムコバルト磁石)」の調達難に関するご相談です。
中国によるレアアース(希土類)の輸出規制強化の影響を受け、「納期が読めない」「価格が高騰している」とサプライチェーンに不安を抱える企業様が増加しています。
そこで今回は、サマコバ磁石の有力な代替手法となる「ネオジム磁石への切り替え」について、メリットと設計上の注意点を解説します。
サマコバ磁石からネオジム磁石へ代替するメリット
磁力(最大エネルギー積)の性能で比較すると、実はネオジム磁石はサマコバ磁石よりも強力です。そのため、サマコバからネオジムへ代替することで、モータや製品のさらなる小型化・省スペース化、性能向上が期待できるケースが多くあります。
ネオジム磁石の課題となる「耐熱温度(熱減磁)」のハードル
「それならすべてネオジム磁石に変えれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、代替時の最大のネックとなるのが「耐熱性」です。
一般的にサマコバ磁石は最大動作温度が300℃〜350℃と高温環境に優れています。一方、標準的なネオジム磁石は熱に弱く、80℃程度の環境でも磁力が低下する「熱減磁」を引き起こしてしまいます。
サマコバ磁石とネオジム磁石の特性比較
一般的に、両者の特性は以下のように対比されます。
| 特性 | サマコバ磁石 (SmCo) | ネオジム磁石 (NdFeB) |
|---|---|---|
| 磁力(最大エネルギー積) | 高い | 極めて高い(サマコバ以上) |
| 耐熱性(最大動作温度) | 極めて高い(〜350℃) | 低い(標準品は〜80℃) |
| 調達リスク(現在) | 輸出規制により難化 | 標準品は流通するが、高耐熱品は規制リスクあり |
【解決策】実際の使用環境における「耐熱温度」の再評価
代替を検討する際、現在サマコバ磁石を使用されている製品の「実際の動作環境」をぜひ見直してみてください。「安全率を見込んでスペック上は高温対応にしているが、実際の使用環境は150℃以下で収まっている」ということはありませんか?
もし150℃以下の耐熱性で問題がなければ、ネオジム磁石への代替は十分に現実的な選択肢となります。
輸出規制対象レアアース不使用の「高耐熱ネオジム磁石」という提案
通常、ネオジム磁石の耐熱性を向上させるためには、ジスプロシウム(Dy)などの重希土類(レアアース)が添加されます。しかし、これらの重希土類もまた中国の輸出規制の強い影響下にあります。
そこで当社のパートナー企業では、中国の輸出規制対象となる重希土類を使用せず(ジスプロシウムフリー)、【耐熱温度150℃】を実現する高耐熱グレードのネオジム磁石を安定調達できる体制を構築しています。
・「サマコバ磁石の納期遅れで生産ラインが止まりそう」
・「150℃以下の環境なので、ネオジムへの代替・設計変更を検証したい」
このような調達リスクや設計課題にお困りの方は、ぜひ一度当社へお気軽にお問い合わせください。
貴社の仕様や使用環境に合わせた最適な解決策をご提案いたします。